皆さん、おはようございます。
オーケストラにおいて、指揮者がタクト(指揮棒)をおいたときが演奏終了の合図となります。
逆を言えば、タクトを持ち続けている限り、どんな状況であれ、演奏の最中である、ということになります。
だけど、敢えて言わせて下さい。
派手に終わる演奏は、終わった瞬間に拍手がしたい、と。
拍手とは、演奏の終わりである
オーケストラを演奏する
演奏が終わる
タクトを置く
演奏が終わったと知り、拍手に包まれる
つまり拍手とは、演奏の終わりを意味する。
逆を言うと、拍手が沸き起これば、指揮者の意思にかかわらず、演奏は終わりだと宣告されてしまうことにも等しい事であり、場合によっては侮辱的な意味合いにも取られかねません。そのため、「楽章間では拍手をしてはいけない」という明確なルールはなくとも、楽章間では拍手をしないことをマナーだと考える人も少なくありません。
また、楽章間での拍手を嫌い、楽章間では演奏が止まり無音になる曲が多い交響曲においても、楽曲感に無音部分を作らず拍手をさせないため、特定の楽器をロングトーン(音の長い音符)でつなぎながら次の楽章に入る曲もあります。(例:メンデルスゾーン バイオリン協奏曲ホ短調)
同様に、演奏が終了しても、タクトを置くまでは指揮者は演奏が続いていると思っています。たとえ派手に演奏が終わっても、残響の一粒が消えるまでのその余韻は演奏とみなされます。テレビでN響とかのオーケストラ番組を見ていると、音は全然聞こえないのにタクトを置こうとしないのは、見ている側は聴こえなくても、会場では残響が残っているから…つまり、演奏が終わっていないからです。
それでもなお、言わせてください。
派手に終わる曲は、やっぱり「ジャン!」もしくは「ジャーン」で止まって一呼吸おいて拍手をしたい、と。
「ジャン!」または「ジャーン」で勇壮に終わり、テンションMAXの状態でおあずけを食らい、残響が消えるまで待っていたら、観客のテンションが爆発するタイミングを逃してしまうと思います。
指揮者がオーケストラをタクトで御して、タクトを置くまでが演奏とは言いますが、タクトを置いて大歓声に包まれることもまた、タイミングを指揮者が図ることができる、演奏の一部ではないでしょうか。
今回は、「せっかく勇壮な終わり方をしたのに、すぐ拍手をしないのはもったいないな…」という思いがあり、記事にしてみました。
オーケストラコンサートの敷居が高いと思われるのは、複雑なルールがありそう、高尚な趣味だから庶民お断りな空気がありそう…というメンタルブロック的な要因が強いように思えます。
しかし、気軽に親しみやすく、もちろん楽しめるオーケストラコンサート、それらが増えてくることで、メンタルブロックは取り払われ、文化もまた大きく変わってくるのではと思うところです。