ストリングスの規模
ストリングスの音色は、ストリングスの音色を構成する楽器の数によって、質感が変わってきます。
各セクションの楽器の数が少ないほど、擦弦の音が強く際立った輪郭のある音になり、数が多いほど響きが豊かになる反面、擦弦の質感は減少します。
ソロストリングス
第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロがそれぞれ1人ずつの配置です。
当然ながら全パートの音の輪郭がはっきりと聴こえますが、ストリングスに求められる、厚みのある豊かな響きについては人数が少ない分、劣ります。
チェンバーストリングス
4・3・3・2のような小編成のストリングスです。場合によってはコントラバスが入ることもあります。
ドラマの劇伴や歌ものでよく使われる編成であり、ストリングスアンサンブルの持つひびきの厚みと豊かさ、ソロストリングスの擦弦による輪郭がバランスよく含まれています。
オーケストラ編成
8・6・6・4や14・12・10・8など、オーケストラ向けの大規模編成です。20・18・16・14といった大規模編成もあります。
オーケストラで用いられるため、開場の残響も重なり、非常に豊かで重厚な音になります。しかし、その分だけ擦弦感は下がり、「ストリングスの音の塊」という聴こえ方をします。
テレビで見るオーケストラは、各セクションにマイクがセットされていて、それで別途各セクションの楽器の音を拾って混ぜているため、編成の割に輪郭がしっかりした音で聴こえることが多いです。
ストリングスひとつ取っても、使われ方は様々。
名前は聞き慣れなくても、様々な場面で使用されているストリングスサウンド、一層親しみを覚えていただければ幸いです。