皆さん、おはようございます。
10月から税制改正に伴い、インボイス制度が施行されます。
インボイス制度については数年前から導入が宣言され、度々議論となっております。
過去の記事でも採り上げております。https://nrt-sound.net/b220306/
インボイス制度を簡単におさらいすると、納税義務のある課税事業者が消費税を納税する際、事業者が支出をした際に支払った消費税額について、支払先から受領した消費税額を支払った証拠である適格請求書を添えることで、その分だけ消費税の納税額を減免できるということです。
但し、免税事業者は消費税支払いの義務が免除されるため、免税事業者に当たる規模の個人事業者~中小企業については適格請求書が発行できず、これを理由にして取引の停止や同業の課税事業者への乗り換えが懸念されていました。また、インボイス制度の開始に先立ち、免税事業者も適格請求書を発行できる事業者に登録できるようになりましたが、当然ながら免税事業者たる事業内容であるにもかかわらず課税事業者と同様の消費税納税義務が発生し、それが免税事業者に対し経済的な重荷になるとの連鎖反応が懸念されていました。
話は逸れましたが、本題に移行します。
NRTサウンドは、インボイス制度施行に伴い、適格請求書発行事業者になる予定はございません。
また、10月から価格を税込表示といたしますが、基本的には「現状の金額を消費税込みの金額として表記しなおす」だけであり、実質的な値上げは行わない予定です。
※微調整を行った結果多少額面が変動する可能性はあります。
なお、NRTサウンドとしてのインボイス制度に対するスタンスは、賛成も反対もしない立ち位置です。
インボイス制度の導入によるクリエイターの税負担・事務作業の負担増は確かに懸念されますが、「免税事業者に対するインボイス制度による税負担増」については、そもそもクリエイターに対し相場を逸脱した低報酬による請負の横行、案件獲得のための同業者同士によるダンピング競争、クリエイター自体が事業者としての自覚に欠如しているといった業界側の問題もあるように思えます。
それらの問題は決して、インボイス制度の中止や延期によって解決できる問題ではありません。むしろインボイス問題の終結によってクリエイター問題に対する世間の関心が薄れ、今そこにある問題だけが見向きもされずただ残り続けることの方が恐ろしいです。
改めて、楽曲制作の「事業者」として、責任を持って仕事を遂行し、然るべき対価をいただくことを遵守してまいります。