宅録ができることの難しさ

皆さん、おはようございます。

ハンディレコーダーとマイク
楽曲制作の際に、ギターの生演奏が欲しいからスタジオを抑えてギタリストを呼んでスタジオでギターを録音する…ということはありますが、それ以前にギタリストなどのミュージシャンが楽曲制作者から依頼を受け、自分の制作環境を使い、収録した生演奏の録音データを送るやり方もあります。

後者について、自宅での録音…俗に「宅録」と呼ばれます。

この宅録、ミュージシャンであれば特に問題はないのですが、普段楽曲制作を行っていない人からすると、思いのほか難易度が高いものだと思います。
今回は、「宅録は難易度が高い」ことについて説明します。

あなたはボーカリストです

あなたはボーカリストです。
これから、あなたは先方より依頼された「この楽曲を制作するためにボーカルパートを録音して送ってください」という依頼に対する作業を実施しなければなりません。
さて…何が必要か、何をすべきか、何をどう操作するのか…想像できたでしょうか。

おそらく、普段から楽曲制作をやっていないと、何が必要なのかが想像できないかと思います。

先方に直接乗り込んで歌を録ってもらう?…先方がとんでもない遠方在住かもしれませんし、仮に距離が問題ないとしても先方が音楽関連に明るくなく、機材を持っていないケースもあります。
自宅で歌を録音する?…録音にはどんな機材が必要でしょうか、その機材の扱い方はご存じでしょうか、録音できたとして、どういうフォーマットに整えればいいのでしょうか。

様々な知らないことに直面します。
でもそれは決しておかしな話ではありません。
専門的な仕事をしていると、それに関する知識や技術、機材の情報は持っていても、ひとたび庭を離れれば、専門外の知識や技術、機材の情報はわからないものです。

ちなみに、解答例としては…

・先方から歌詞が書かれたテキストとオケ音源を受領する
・DAWを立ち上げ、オケ音源をプロジェクトにセットする
・マイクをオーディオインタフェースに接続し、録音の体制を整える
・歌唱し、それを録音する
・録音したデータを1つのオーディオファイルに書き出す
・ストレージサービスに上げてその場所を先方に案内する

といったところですね。
なので、「歌やギターの演奏を録音して送ってもらう」依頼については、依頼先のミュージシャンの技術や楽器もさることながら、宅録のための機材や録音のノウハウといった作業遂行のための環境も必要となります。
逆を言えば、歌やギターを宅録できるということは、音楽的な能力に加え、宅録ができるだけの環境と知識を備えているということの証左でもあります。

楽曲制作に限った話ではありませんが、「何かを作ってほしい」という案件に対して、相場を大きく逸脱した低価格や激安価格の提示が問題になることがあります。依頼する側だけでなく、依頼を受ける側も実務経験がないことや実績獲得のために激安を売りにしてしまう背景も助長している感は否めません。

依頼する側としては、制作に対しては想像する以上にコストがかかっていること、依頼を請ける側としては、依頼を請けるまでに整えた環境にはコストがかかっていることを憶えていただけると、双方Win-Winの気持ちいい制作案件のやり取りができることでしょう。

良くも悪くも、個人が制作を請け負う時代…
誰もがクリエイターになると言えば聞こえはよく、事業者として否応なしに荒波に放り出される人が多い時代…
だからこそ、仕事をする、仕事を振ることについて、考えてみる必要があると思います。


楽曲制作承ります!

NRTサウンドは1曲より楽曲制作を請け負います。
見積・問合せフォームよりお問い合わせください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です