〇〇クリエイターは今後激減する?

分岐点

皆さん、おはようございます。

分岐点

様々なクリエイターが跳梁跋扈する今日…
どこかの組織に属しながら活動していたり、組織に属さずSNSなどを中心に活動していたりと、その活動方針は多種多様です。
しかしながら、今後はとあるクリエイターが激減し、反対にとあるクリエイターの絶対数が多くなると予想しています。

それは、専業クリエイターです。

言うまでもないですが、専業のクリエイターとは、クリエイター業に係る仕事だけで収入を得て生計を立てている人のことです。そこに組織への所属やフリーランスなどの枠組みは関係ありません。
しかしながら、今後は副業などの兼業クリエイターが増え、専業のクリエイターの数は大きく数を減らしていくものと思われます。

まず、専業のクリエイターが減る理由ですが、制作案件を奪い合う同業他社が増えることにより仕事の受注数が減少していること、クリエイターを自社で抱えるなどをせずすべて外注に切り替え、組織に属して活動するケースが激減していること、10年以上前からずっと言われていますが、案件自体に十分な報酬が支払われないことが挙げられます。約1年ほど前に「インボイス制度の導入でクリエイターが危うい」と土壇場で叫ばれていたように、ちょっとの収入源によりクリエイター生命にかかわるほどにしか報酬を得られない状況が露呈しました。そもそもインボイス制度の導入の是非によらず、十分な支払いが無い状況は深刻なクリエイター問題として直ちに是正が必要ではあるものの、声を上げた人はほとんどいませんでした。

そして、副業などの兼業クリエイターが増える理由ですが、これには単純に企業自体が副業を推奨するなど、安定した収入基盤を持ちながらクリエイティブな仕事をする人が増えることが想定されるためです。常に生活苦と背中合わせの専業と、安定性を確保した上での副業では、どちらの方がのびのびと仕事に従事できるかは言うまでもありません。

なお、個人的には本来クリエイターは専業で仕事ができる状況であるべきとは思うものの、副業のクリエイターが増えることについては、本業のクリエイターを増やす土壌としての役割があるものとして推奨する立ち位置でもあります。
なぜなら、副業である…すなわち本業に会社勤めなどがある場合、社会的マナーなどのノウハウを学習できる場があるからです。昨今、プロのeスポーツプレイヤーがSNS上での暴言を理由に契約を解除されたり、VTuberが機密情報を漏洩して契約解除されるなど、本業の生命を絶たれるに等しい事例が発生しましたが、必要なスキルだけを求め、プロとしての最低限の振る舞いを学習する場がなければ、このようなプロにあるまじき振る舞いは回避できません。現場に属し、そこでの経験を経てプロになったフリーランスであれば、現場経験の中でプロの振る舞いを会得しているため、そこまで問題になることは少ないでしょう。

次に、副業での活動が恒常化するにつれ、税制や確定申告などの税務に対する勉強の土壌が共有されることにあります。当然ですが、個人事業主になる、もしくは一定以上の収入がある場合、確定申告を行い、副業での収支報告をしなければなりません。(収支報告のため、状況によっては収入があっても納税せず還付になる場合があります)
但し、収支報告を行わない場合、たとえ収入よりも支出が上回ると実感できていても、支出がわからない以上実益とみなされ、脱税とみなされる可能性があります。それを避けるためにも、一定以上の収入がある場合は、差引マイナスでも確定申告を行わなければなりません。(真っ先に同人活動の売り上げが上がることが多いですが、内容としては同じです)
また、クリエイターを保護する新法の施行や、独占禁止法・下請法など、クリエイターが憶えておくべき法律を把握しておくことにより、免税事業者を理由とした契約の打ち切りや請負価格の値下げ強要など、クリエイターが不利益を負う事案から身を守ることもできるようになります。クリエイター個人が不利益から身を守るということは、クリエイター界隈が不利益から身を守られることにつながります。

ただ、副業の恒常化の黎明期においては、いいことだけでなく、悪い側面が目立つ懸念もあります。副業で請け負うということは、クリエイター個人が自由に請負金額を設定することができるため、世間の相場よりも著しく安い価格で請負を打ち出し、実績欲しさに業界全体でダンピングが横行する懸念も否定はできません。しかし、副業で請け負うという、主収入を補完する目的がしっかりしているのであれば、相応な価格を設定することは可能でしょう。

いずれにしても、クリエイターがいなくなれば、クリエイティブな仕事を請け負える人はいなくなり、幅広い業界に不利益をもたらします。
専業兼業問わず、まずは自分たちの振る舞いが業界を作る、業界の未来を創るということを把握することが大切だと思います。


楽曲制作承ります!

NRTサウンドは1曲より楽曲制作を請け負います。
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2023年を振り返る

朝焼け

皆さん、おはようございます。

朝焼け

2023年が終わります…
今年は、企業や団体の有名なところが告発されて失墜するなどの波瀾に、記録的な酷暑、クリエイター界隈だとインボイス導入で騒動があるなど、とにかく落ち着く暇がなかった1年でした。

NRTサウンドの今年の業績としては、地方自治体の楽曲制作案件を始め、VTuberの配信用BGMの作成にオリジナルソングの制作協力と、個人から団体まで幅広く請け負うことができたと思います。ただ、その分だけブログ更新頻度が不安定になったことがあり、そこは来年の課題としたいと思います。

来年の目標ですが、楽曲制作を請け負うことは言うまでもなく、今年の多忙のよって露呈してきた課題の解決をメインとしたいと思います。特にココナラは登録しても実質停止状態にあったため、しっかりと稼働させること、稼働させるにはどうすればいいか、何が必要かを明確にすることが課題として挙げられます。
あとは、サイトリニューアルも検討して取り組んでいきたいと思っています。

2024年…辰年にちなんで龍勢の如く活躍できる1年になりますように。

クリエイターが負ける時

皆さん、おはようございます。

クリエイター業に限らず、芸能職は大なり小なり同業者との競合が発生します。
当然ながら、競合で仕事が取れなければ勝ち負けという概念も生まれるでしょう。
では、クリエイターは同業他者と競合した際に競り負けたら負けなのでしょうか?

それについてはもちろん「No」です。
競合で仕事が取れなくても、そこでは仕事が取れませんが別の仕事を取りに行くことはできます。
では、クリエイターにとっての負けはあるのでしょうか?

それについては「Yes」と答えます。
では、クリエイターにとっての負けとは何でしょうか。

その答えは、「不慮の死を遂げること」です。

クリエイターの仕事が来なくなっても、生きている以上仕事を請け負うことはできます。
クリエイターとして見切りをつけ廃業しても、新しい人生が始まるわけですし、自分で納得の上で道を閉ざしたのだから決して負けではありません。
しかし、不慮の死を遂げてしまうと、これ以降仕事は請けられませんし、何よりクリエイターとしての人生を、納得のいかない形で終えることとなってしまいます。
もちろん、不慮の死を遂げることを負けだと片付けるのは少々乱暴な気がします。予測不可能な事故で生涯を閉ざされてしまうなどの不可抗力もあることでしょう。ただ、予測できるレベルであれば、それは「クリエイターやアーティストの宿命」で片づけることなく、向き合うべき課題だと思います。

それが、「生活の不摂生」です。

特にクリエイターだと、1日中座りっぱなしで運動不足になったり、生活リズムを崩した生活をしたり、本業のために仕事を掛け持ちしたり、酒やたばこをあおるなど、リスクファクターが多いものです。最近では「20代・30代で無理をした人間から退場(つまり死)していく」という警鐘をSNS上で観ることができるほど周知はされている気がしますが、それでも『売れっ子は寝る時間が無いくらい仕事をするものだ』といった前時代的な感性の押し付けが未だに横行しているのも事実です。

できるだけ規則正しい生活をすること
そのうえで適度に仕事をすること

これらを守り、いい意味での生涯クリエイターを遵守できれば素晴らしいと思いますし、それを実現するだけの情報的なインフラが十分にそろっている時代だとも思います。


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インボイス制度施行に関する相場調整について

小銭

皆さん、おはようございます。

小銭

10月から税制改正に伴い、インボイス制度が施行されます。
インボイス制度については数年前から導入が宣言され、度々議論となっております。
過去の記事でも採り上げております。https://nrt-sound.net/b220306/

インボイス制度を簡単におさらいすると、納税義務のある課税事業者が消費税を納税する際、事業者が支出をした際に支払った消費税額について、支払先から受領した消費税額を支払った証拠である適格請求書を添えることで、その分だけ消費税の納税額を減免できるということです。
但し、免税事業者は消費税支払いの義務が免除されるため、免税事業者に当たる規模の個人事業者~中小企業については適格請求書が発行できず、これを理由にして取引の停止や同業の課税事業者への乗り換えが懸念されていました。また、インボイス制度の開始に先立ち、免税事業者も適格請求書を発行できる事業者に登録できるようになりましたが、当然ながら免税事業者たる事業内容であるにもかかわらず課税事業者と同様の消費税納税義務が発生し、それが免税事業者に対し経済的な重荷になるとの連鎖反応が懸念されていました。

話は逸れましたが、本題に移行します。

NRTサウンドは、インボイス制度施行に伴い、適格請求書発行事業者になる予定はございません。
また、10月から価格を税込表示といたしますが、基本的には「現状の金額を消費税込みの金額として表記しなおす」だけであり、実質的な値上げは行わない予定です。
※微調整を行った結果多少額面が変動する可能性はあります。

なお、NRTサウンドとしてのインボイス制度に対するスタンスは、賛成も反対もしない立ち位置です。
インボイス制度の導入によるクリエイターの税負担・事務作業の負担増は確かに懸念されますが、「免税事業者に対するインボイス制度による税負担増」については、そもそもクリエイターに対し相場を逸脱した低報酬による請負の横行、案件獲得のための同業者同士によるダンピング競争、クリエイター自体が事業者としての自覚に欠如しているといった業界側の問題もあるように思えます。
それらの問題は決して、インボイス制度の中止や延期によって解決できる問題ではありません。むしろインボイス問題の終結によってクリエイター問題に対する世間の関心が薄れ、今そこにある問題だけが見向きもされずただ残り続けることの方が恐ろしいです。

改めて、楽曲制作の「事業者」として、責任を持って仕事を遂行し、然るべき対価をいただくことを遵守してまいります。


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クリエイターとは何者か

皆さん、おはようございます。

名刺

クリエイターという単語を調べると
「Creator」創作する人、作家
などの意味を知ることができます。
クリエイターには、いろいろな種類があります。
楽曲制作者、イラストレーター、動画クリエイター、劇伴作家…そもそも「クリエイター」と名のつく職業名は多くはありません。何かを作り出す職業を総称して、クリエイターと呼びます。

おしまい。

…終わっちゃダメだ。

クリエイターとは何者か

本題に入ります。
クリエイターというけど、イラストを描く人、音楽を作る人…これらを見て、真っ先に思い浮かぶのは「アーティスト」です。確かにアーティスト活動の中に、楽曲やイラストなどを制作するクリエイターとしての仕事が含まれるケースも珍しくありません。
ですが、クリエイターにはモノを創り出す人以前に、その根幹となるものがあります。
それは…

商売人

です。

絵を描く、音楽を作る、映像を作る…それだけでは仕事は成立しません。
仕事を請けるために、ポートフォリオ(作品群)を陳列し、交渉のための窓口を設け、時に営業し、案件が始まれば先方とのやり取りを行い、成果物を提出し、案件をクローズする…世間一般ではクリエイターはクリエイターとしてモノを作ることばかりしか見えないことが多いですが、仕事を請けるプロセスは、中身が少し違うだけで、会社員などと同じシステムの下で進めています。

よく「クリエイターは変わり者が多い」とは言われます。
確かに、斬新なものを生み出すには、人とは違う発想が求められますし、芸能職は往々にして変わり者であることが武器になります。
しかし、変わり者=常識の欠如の免罪符ではありません。
もし、クリエイターが変わり者を免罪符に、常識が欠如した言動を取れば、仕事は切られ、悪名が広まり(いわゆる”干される”)、最悪損害賠償の責を負うことになりかねません。
クリエイターは、会社員と同等の最低限の社会常識を持たないと成立しません。
それが、クリエイターとは商売人である、と思うに至る大きな理由です。

変わり者であることは武器になります。
しかし、そこには社会人としての最低限のマナー・コンプライアンスの遵守が伴ってこそのものです。
誰もがクリエイターとして台頭できるようになった現代、過激な立ち回りや話題性を狙うがあまり、人に迷惑をかけたり、不特定多数を誹謗中傷する発言などが問題となり、それらはSNS上では炎上という形で現れることが多いものです。
ひいてはそれが、「クリエイターとは無責任な連中である」という風潮の助長にもつながりかねません。そうなれば、クリエイターというだけで社会的地位が低くみられ、まともな活動をできなくなってしまうかもしれません。
自分がどれだけストイックに遵守しても、対岸の火事は簡単に飛び火します。

これからクリエイターを志す方には、最低限のルールの順守を忘れず、1商売人として立ち回ることを願うばかりです。クリエイターという仕事に誇りをもって、1商売人としての姿を誇示すれば、モノを作る仕事もきっと安泰でしょう。


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題名のない音楽会の珍しい特徴とは

皆さん、おはようございます。

題名のない音楽会…最近はコロナ禍でコンサート収録は大幅に減り、スタジオ収録の会が増えましたが、毎週見ております。
この番組も、もう50年以上も続いている長寿番組ですが、長くにわたり放送が続いている番組は、軒並み共通点があります。

・世界ふしぎ発見!
・MUSIC FAIR
・笑点

これらの番組に共通するのは「固定スポンサーがついている」「CMに入るタイミングが決まっている」と言ったことですね。
長寿番組はコンセプトが決まっていて内容が充実していることもそうですが、スポンサーが固定でついている安心感なのか、煽りや焦らしにも似た、変なタイミングでCMが入ることもありません。
なお、題名のない音楽会には、さらに珍しい特徴があります。それが…

本編中にCMが入らない

ということです。
オープニングの後にCMが入り、本編が放送されてCMが入り、提供クレジットを流して終了。
おそらく、ここまで徹底して本編中にCMが入らない番組は、民放ではこの番組だけじゃないでしょうか。

この、本編中にCMが入らないというのは、昨今の番組事情を考えると大きいような気がします。
一方、多くのバラエティ番組では、盛り上がったところでCMが入ったり、CMの後に提供クレジットが挟まったと思ったら再度CMと、何が何でもCMを見せようという魂胆が見える気がします。

テレビ番組は入れ替わりが激しく、視聴者離れが問題と言われています。その主たる要因の一つに「やたらとCMが挟まって萎える」といった声も聴かれますが、何としてもCMを見せようとする、そのための番組ありきだとすれば、面白くないと言われるのも当然と言えば当然です。ただ、スポンサーがしっかりと確保できていれば、CMばかりを挟む必要もなく、番組のコンセプトに腰を据えた番組作りができて、結果として視聴者が戻ってくる番組を作ることができるのではないかとも思うところです。
そう考えると、長寿番組が長寿番組たる要因には、スポンサーが固定という安心感から、番組のコンセプトに腰を据えた番組作りがそつなく行えることがあるのではないでしょうか。スポンサーの顔色を窺うという不安要因がなく、リソースをすべて番組制作につぎ込むことができる…長寿番組が面白い理由はきっとそこにあるのでしょう。

「若者のテレビ離れ」とはよく言ったものです。
しかし、SNSでは面白い番組を放送しているときは、その番組についての発言やハッシュタグがタイムラインを流れていることを考えると、若者がテレビから背を向けたのではなくて、若者がテレビから背を向けたくなる番組で溢れるようになってしまった…予算なのか納期なのか、はたまたノウハウなのか、テレビ番組がCMを見せるための道具に成り下がり、面白い番組を作ろうとしない、作れないことが大きいのではないでしょうか。

CMを見せようとする番組を作らずとも、面白い番組を作ればおのずとCMを見てくれます。
その順番を入れ替えて考えれば、きっと幸せになる人がもっと多くなるのではないでしょうか。


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