AI技術を用いてはいけない局面

皆さん、おはようございます。

生成AIを業務に使用するケースは、決して珍しくなくなってきました。
プレゼンテーションを作成するにも、いい塩梅の文面を作るのもAI、AI駆動型開発と言われるように、AIがコーディングするソフトウェア開発現場もあります。

しかしながら、AIを使用するタイミングを誤れば、トラブルを生むことや悪用されることも事実です。現にイラストについては、生成AIを使用して無断学習による生成を行い、それを販売するトラブルは、報じられて久しい状況ですが、この問題は後を絶ちません。

AI技術は確かに便利ではありますが、用いてはいけない局面があります。
それは、AI出力した結果に責任が持てない場合です。

ちょっと前に、生成AIを使ってプロモーション用のポスターを生成し、それを使用したところ、生成AIを使用したことによる矛盾が指摘され、炎上する事案がありました。これについては、モデルを雇って撮影するなどすれば回避することはできましたが、生成AIに仕事を任せることで仕事の結果を素早く提供できるということに固執し、出力結果が正しいのかどうか、それを判断することができなかった…簡単に言えば、専門性のない内容を判断できない人が作ってしまったがために、判断することができず、この事案を招いたと言えるでしょう。
もっとを言えば、本来モデルを使って撮影すべきという判断があったにもかかわらず、生成AIを使えばそんなことしなくても同じだけの成果物が低コストで得られる、だから生成AIを使うべき、と指示された可能性もあったのかもしれません。
最初に上げた、AI駆動型のソフトウェア開発でも、ソースコードが読めない人が作ろうものなら、万が一欠陥があった際に何がいけないのか、どうすれば解決できるのかがわからず、必要以上にCPUリソースやメモリを食いつぶし、エラーを引き起こすモンスターを生み出しかねません。そしてそのモンスターは、その製品を使用する企業などに打撃を与え、場合によっては生命財産に被害を与えるなど、社会問題化しかねません。

NRTサウンドでは、生成AIによる作編曲が可能なツールを一切使用していない、AIフリーの楽曲制作環境を用いています。
ただ、現に生成AIによる作編曲のツールは販売されていますし、それを使用した楽曲制作の講座もあります。それでもなお、生成AIによる作編曲のツールを使用しないのは、生成AIによる学習内容のクリアランスが担保できないためです。簡単に言えば、「生成の背景にある学習内容に著作物を無断使用していないことが証明できない」ということです。
もちろん、「使用していないことが証明できないから有罪」というのは、悪魔の証明でありあってはなりません。しかし、生成AIを使用できる楽曲制作環境を保有していることが明確であれば、万が一AI生成が疑われた時に、トラブルに発展してしまいます。本当に生成AIによる無断学習の利用が無かったとしても、係争中においては受注している案件、これから発注を検討している案件に悪影響が及ぶことは想像するに容易いです。
制作環境に生成AIを用いていないことを証明できれば、万が一AI生成が疑われた場合においても、直ちに生成AIを使用していると疑いを突きつけられることはありません。もちろん、人であっても意図せず既存の著作物に酷似することはありますが、あまりにも酷似しすぎるという結果になる可能性は低く、酷似が疑われたとしてもメロディを変えるなどで対処することが可能です。

生成AIによるAI駆動のクリエイティブについては、著作権をどうするかなどの課題は抱えていますが、そこをクリアすることができれば、制作の効率性を高める…クリエイターが作りたいと思ったものを効率的に手伝ってくれる、良いパートナーとなることは間違いありません。効率的な制作を支援するということは、作りたいものを1つでも多く生み出せるということであり、これはクリエイターからすれば、またとない願いです。
そのためにも、生成AIを使用する環境の整備を進め、不正を許さず、建設的な行動への寄与に最大限、協力しなければならないでしょう。


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