AIが作曲したら作曲者は誰?

皆さん、おはようございます。

首をかしげるモデル人形

生成AIの技術は、楽曲制作にも徐々に浸透してきています。
ただ、イラストなどと同様例に漏れず、生成AIによる自動作曲が著作権の侵害になる、生成AIによる楽曲制作で作曲家は要らなくなるなど、懸念する内容はあります。
ただ、こういう意見を目にしました。

生成AIも楽曲制作のパートナーであるべきだ

確かに生成AIの技術の進歩は目覚ましく、プロンプトと呼ばれる文章の組み合わせで意図した生成データを生み出すだけでなく、誰かに語り掛けてそれを噛み砕き、その通りの内容を示すなど、人間と遜色ない柔軟性を持ち合わせるようになっています。
しかしながら、生成AIが持つ、学習データに関するクリアランス…つまり、生成AIが成果物をアウトプットするにあたり参照するデータが、合法的に与えられ学習したものなのか、その透明性を問われることが多く、それについては未だに学習データのクリアランスが確保されていないのが現状です。そのため、楽曲制作に生成AIを使用した場合は、販売を認めないなど規約で定めているケースもあります。

ところで…
生成AIも楽曲制作のパートナーであるべきだとは言いますが
では、生成AIが作曲した楽曲は、誰が作曲者となるのでしょうか?

結論から言うと、作曲者のない楽曲が出来上がるという、著作権のバグが発生するような状況になるかと思います。

例えば…
「クライアントから楽曲制作を依頼されたので、生成AIに投げて制作してもらった」
これに対して、作曲者は生成AIに投げた本人という主張があることでしょう。
しかしながら、これはどうでしょうか?

「クライアントから楽曲制作を依頼されたので、自分に師事する弟子に制作してもらった」
これに対して、作曲者が弟子に投げた本人ということが通用するでしょうか?
…ゴーストライター問題よろしく、通用しないと思います。そして、生成AIが作曲したケースについても、ゴーストライターに作曲させた場合と同じです。
それを考えると、生成AIに作曲してもらった楽曲は、作曲のタスクを投げた本人にはなり得ないという結論が導き出せます。もちろん、生成AIはツールなので、生成AIが著作権を主張することはできません。
結果、作曲者の存在しない楽曲が出来上がるということです。

もっとも、楽曲制作を依頼されたから生成AIに投げて作曲するとしても、作曲の依頼を請けるたびに生成AIに投げて、完成したものを納品して…果たしてそれは、作曲家としての本分を全うするものでしょうか。
これでは単なる作業にすぎません。
何よりそこに、本人のアイデンティティはありません。

生成AIは、クリエイティブな仕事を後押しする、それこそこれからの楽曲制作の相棒ともなることでしょう。
しかしながら、無作為に楽曲を食わせて楽曲を生成し、それをもって作曲家を名乗るような、プライドの欠片もない作曲家の量産につながらないことを、願うばかりです。

NRTサウンドでは、楽曲制作のプロセスにおいて、生成AIを一切使用しておりません。
安心安全な完全なるオーダーメイド作品を、提供いたします。


楽曲制作承ります!

NRTサウンドは1曲より楽曲制作を請け負います。
見積・問合せフォームよりお問い合わせください。

楽曲制作に生成AIは使用しません

皆さん、おはようございます。

日曜大工

生成AIによるビジネスへの展開は、その拡散速度と言い、完成度と言い、人の想像を上回るほどとなりました。
図解やイラストはもちろん、プログラミングでさえも実行し、成果物を作り、それは本職のプログラマーをも唸らせるほどの完成度となります。

生成AIは、作業を助ける良きビジネスパートナーになるかとは思います。
しかしながら、NRTサウンドは、生成AIによる作編曲プロセスへの介入を行わないことをここに公言いたします。
理由は以下の通りです。

・生成AIによる学習内容が保証されない
・生成AIの使用が、想像力や向上心を委縮させる
・楽曲制作のやりがいが無くなり、単調な作業と化する

生成AIの最大の問題点であり、いわゆる「反AI」を生み出している根源となるのが、生成AIによる無断学習が問題視され、学習内容が保証されないことにあります。気づかない場所で不特定の作品を無断学習し、無断学習した人の作品と同じフレーズが如実に出た作品を出そうものなら、インシデントを起こした事業者となり信頼を失います。全くのブランクで、外部からの学習の一切が無いことを保証できない限り、AIを使用したことに伴う無断学習への懸念が付きまとうことでしょう。
現在、生成AIを用いた作品の取り扱いを禁止しているサイトは、音楽やイラストなどで珍しくはありませんし、生成AIを使用した作品を許容しているショップでも、明確な線引きがされ、生成AI不使用を謳って実際の結果と乖離した場合、アカウント停止などの制裁が行われるケースもあります。

そして、生成AIを使用することで、学習に使用した楽曲が増えれば増えるほど、自分で作る機会は減り、結果として学習に使用した範疇を超える作品を生み出すことができなくなります。ここまでくると最早、楽曲制作ではなく、「餌付け」です。
クリエイターが好む曲調やコード進行などはあり、楽曲をたくさん制作してもそれらは「手癖」として現れ、「似たような曲だなぁ…」と自他ともに思うことはあるでしょう。しかしながら、それでも新しく制作することによる微妙なブレが、新しい表現やモチーフにつながることはあります。
何も生み出さない、餌付けしかできない人物の、何がクリエイターでしょうか。

生成AIは良きパートナーであり、今後のクリエイティブなシーンにとっては不可欠な存在となることは間違いありません。例えば、アニメーションを制作するにしても、これまで人の手で行ってきたシーンA→Bの動きの間の描画補完も、生成AIによって行われることで、現場の負担を大きく軽減することになるだけでなく、背景のアニメーションを加えることによって、よりクオリティの高い作品作りに貢献できると想像するには容易いです。
しかしながら、法整備が行われず、目に余る著作物の無断学習が横行し問題視されている以上、それらがクリエイターに対して実害を与えている現状が是正され、生成AIそのものに出所不明な無断学習という地雷が含まれているリスクが完全に除去されない限り、楽曲制作において生成AIによる作編曲は行わないと、改めて公言する次第です。

良き相棒と手を取るまで、まだ時間がかかりそうです…


楽曲制作承ります!

NRTサウンドは1曲より楽曲制作を請け負います。
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