身近にある素材の防音効果

皆さん、おはようございます。

プチプチ

3週にわたり防音とは何かを説明してきましたが、今回は身近にある物のうち、防音効果(広範的)のあると言われるものについて吟味にしたいと思います。

エアパッキン

通称「プチプチ」です。
結論から言うと、防音効果はありません。表面の凹凸が多い分拡散が期待できると思えそうですが、音のエネルギーが大きいとその凹凸を無視してしまうため拡散される音の割合は微々たるものです。
そして、窓ガラスに貼り付けて遮音効果を狙おうとするのも意味がありません。むしろ直射日光が差し込むことでレンズ効果による発火の原因になったり、黒カビの温床となったりします。そして直射日光が差し込む環境ではひどく劣化し、指で触れただけでボロボロと崩れる末期を迎えるほどです。

段ボール

軽いわりに二重構造で遮音性はそれなりにありますが、単体での防音については期待できません。エアパッキンよりはましといった程度ですが、壁に貼り付けたりすると見た目が悪いという欠点が付きまといます。
かつては段ボールを5cm幅の細長い板に切り、表面同士を接着することで防音材を作成したことはあります。これぐらいすると表面の凹凸による拡散効果と段ボールの材質上のつくりから音が迷い込んで吸音する効果は多少あるかとは思います。但し、工作に非常に手間がかかります。その労力を費やすのであれば遮音材を買う方がずっと効果的です。

卵パック

表面の形から拡散の効果が期待できそうですが、エアパッキン同様、効果はないと言えるでしょう。
表面が薄く軽いため、音のエネルギーをそのまま通してしまい、拡散しようにも微々たるものです。何より、見栄えが悪いとしか言えません。

木の板

密度が高い分だけ、遮音性に優れます。低音を遮蔽することは無理ですが、250Hz以上の音であれば遮音する効果は高いかと思います。遮音性が高いということは、音を跳ね返す力が強いということなので、吸音材との併用が必要となります。
但し、パイン材の90x180cmの板は値段が高く、合板であっても10kgほどの重さはあります。何より、ホームセンターまでいかないと売っていないため、導入できる環境は限られます。

プラスターボード(石膏板)

CMでもやっている、遮音性が高い素材です。
遮音性が高いだけでなく、90×180で1枚500円程度で売っています。
但し、衝撃に非常に弱く、搬送中に破損する可能性はあります。プラスターボードは基本、どのホームセンターも配送手続きはしてくれません。また、基本的には建材として使用する素材なので、単体で部屋に立てかける使い方はできないと言っていいでしょう。合板などの同じサイズの板にビス留めしてパーテーションを作る方法がありますが、DIYとしては非常に重労働です。

発泡スチロール

軽いので遮音性は低いですが、吸音性に優れます。
ホームセンターでは90×180に加工されたものを販売することが多く、使いやすいですが、窓際の遮音には使わない方が無難です。発泡スチロールは軒並み白色が使われていますが、窓の傍に置くと素材が光を反射し、網入りガラスの針金を熱し、破損につながる場合があります。

布団

布団にこもって叫ぶと、音が全然漏れない…!
重さがあるので遮音性があり、素材が素材なだけに吸音性も抜群です。
欠点としては…布団を部屋に干して作業をするのか、というところです。布団を壁や天井に貼り付けるわけにもいきません。仮に貼り付けられたとしても、自重で崩壊してしまうでしょう。

総括すると、遮音を考えるのであれば、大規模なDIYをする以外、部屋のスペックが遮音性のウェイトの大部分を占めることとなります。そのため、吸音材を一次反射音の反射する箇所に宛がって少しでも反射するエネルギーを減らすことが妥当かと思います。
また、一次反射音が当たる場所を押入にする、壁であれば本棚を置くなど、部屋の配置や家財道具を使って音を遮蔽するのもひとつです。


楽曲制作承ります!

NRTサウンドは1曲より楽曲制作を請け負います。
見積・問合せフォームよりお問い合わせください。

吸音材に防音効果はあるのか(1)

皆さん、おはようございます。

吸音材

吸音材です。
レコーディングスタジオが映った際に、壁がこんな感じなのを目にするかと思います。
実際、楽曲制作では用いられることが多いものです。

では、吸音材はどんな目的で使用されているのでしょうか。

…ん?
まるで「吸音材は音を吸うから防音目的じゃないの?」って声が聞こえてくるかもしれません。

結論から言うと、防音目的は正答ではありません。

モニタースピーカーから出た音は、スピーカーを出た後、壁や天井や床、家具、機材自身などに反射します。つまり、モニタースピーカーから音を出すと、出た音に加えて、部屋内を反射してきた音と混ざって聴こえ、意図しない残響を生み出します。そのため、リバーブなどの残響系プラグインをかけた際に、想像以上に残響がかかったかのように錯覚してしまい、リバーブが足りなくなるだけでなく、特定の音が増幅して聴こえたり、減衰して聴こえたりと、「モニター」の名に反した聴こえ方をしてしまいます。特にモニタースピーカーから出て1回の反射で自分自身に返ってくる「一次反射音」は、反射音としてのエネルギーが大きく、モニター環境に大きな影響を及ぼします。
そこで、反射する位置にこのような吸音材を置くことで、一次反射音を表面の凹凸で分散させたり、吸音材自体でクッションの役割を果たし、一次反射音のエネルギーを弱めることができます。それだけでなく、他の壁や天井などで跳ね返った残響音を吸収して部屋のモニタリング環境を保つ役割を果たします。

しかしそのような言い方では、まるで吸音材は防音目的ではないというようなものではないかとの声が再度上がってくるかと思います。

結論から言うと、吸音材には世間一般で言う防音効果はほとんどありません。

(次回に続く)


楽曲制作承ります!

NRTサウンドは1曲より楽曲制作を請け負います。
見積・問合せフォームよりお問い合わせください。

「プチプチ」って防音に役立つの?

プチプチ

皆さん、おはようございます。

プチプチ

プチプチ…

正式名称はエアパッキンといいます。

気泡緩衝材と書くこともあります。

割れ物の梱包や輸送時の緩衝材に使われます。

「プチプチ」は防音に向くのか

「プチプチ 防音」とかで調べる人、思いの外いるみたいなのですが、果たしてプチプチで防音は可能なのでしょうか。

“「プチプチ」って防音に役立つの?” の続きを読む