ストリートピアノの存在について

皆さん、おはようございます。

ピアノ

ツイッター(X)でストリートピアノに関する掲示が波紋を広げています。

内容としては、フードコート内にあるストリートピアノについて、「下手な演奏に対しクレームが入っている、練習は家でやってくれ(要約)」とのことです。

これについては、ストリートピアノの管理者に対し反対の立場を呈します。

ストリートピアノは、誰でも弾けるようにと置いてあり、演奏については制限は設けられていません。上手下手問わず、誰が弾くこともできます。これに対し、演奏技術をもって足切りをしようということを管理者が提示することは、ストリートピアノの存在意義そのものに反します。もし演奏が下手なケースが多く、騒音として看過できないレベルというのであれば、直ちに期限を設けた撤去を行うべきですし、そういったケースも十分に想定されたはずです。

また、ストリートピアノは、経済的理由などでピアノを弾けない、家に置くことができない人がピアノに触れられる場でもあります。言ってみれば、音楽を嗜むことへの入り口とも言えるでしょう。こういう心無い言い分は、そういった機会を損失させることにもつながります。

当該ツイートに対しコメントでの指摘がありましたが、もしストリートピアノの目的が、名も知らない人の上手い演奏をフードコートに届けるBGMとしたいというのであれば、そのようなうまい演奏をタダで享受しようという考え自体、烏滸がましいと喝破せざるを得ません。商業に携わる者として、あるまじき姿勢です。

過去のツイートには、ストリートピアノとして設置したが、ぞんざいに扱ったり占有したりといった迷惑行為に対し、注意喚起をする旨の内容もありました。そこについては、ぞんざいに扱わないでほしい、10分以上占有しないでほしい、目に余る場合は賠償も検討するといった、至極まっとうな内容でした。
ただ今回は、明らかに下手な演奏そのものを否定…ましてや「苦音」などと造語を使ったうえでの掲示である以上、ストリートピアノとしてのポリシーを全否定したものです。
音楽を音が苦にする、音楽に携わる者の風上にも置けません。

音楽は、人の心や生活を豊かにします。
世界に名高い名ピアニストであっても、それこそ件の文面で叩かれるような演奏をしていた時期があったかもしれません。
音楽は音を楽しむであり、音が苦であるべきではない、改めて主張する次第です。


追記

本件について、話題となった2日後の25日火曜日、管理者から一連の騒動に関する謝罪のツイートと、ピアノの撤去を進める旨の言及がありました。
運営体制の是正と、ストリートピアノの何たるかを再認識し、今後正しい形での文化の促進に寄与することを、切に願います。


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楽曲制作に生成AIは使用しません

皆さん、おはようございます。

日曜大工

生成AIによるビジネスへの展開は、その拡散速度と言い、完成度と言い、人の想像を上回るほどとなりました。
図解やイラストはもちろん、プログラミングでさえも実行し、成果物を作り、それは本職のプログラマーをも唸らせるほどの完成度となります。

生成AIは、作業を助ける良きビジネスパートナーになるかとは思います。
しかしながら、NRTサウンドは、生成AIによる作編曲プロセスへの介入を行わないことをここに公言いたします。
理由は以下の通りです。

・生成AIによる学習内容が保証されない
・生成AIの使用が、想像力や向上心を委縮させる
・楽曲制作のやりがいが無くなり、単調な作業と化する

生成AIの最大の問題点であり、いわゆる「反AI」を生み出している根源となるのが、生成AIによる無断学習が問題視され、学習内容が保証されないことにあります。気づかない場所で不特定の作品を無断学習し、無断学習した人の作品と同じフレーズが如実に出た作品を出そうものなら、インシデントを起こした事業者となり信頼を失います。全くのブランクで、外部からの学習の一切が無いことを保証できない限り、AIを使用したことに伴う無断学習への懸念が付きまとうことでしょう。
現在、生成AIを用いた作品の取り扱いを禁止しているサイトは、音楽やイラストなどで珍しくはありませんし、生成AIを使用した作品を許容しているショップでも、明確な線引きがされ、生成AI不使用を謳って実際の結果と乖離した場合、アカウント停止などの制裁が行われるケースもあります。

そして、生成AIを使用することで、学習に使用した楽曲が増えれば増えるほど、自分で作る機会は減り、結果として学習に使用した範疇を超える作品を生み出すことができなくなります。ここまでくると最早、楽曲制作ではなく、「餌付け」です。
クリエイターが好む曲調やコード進行などはあり、楽曲をたくさん制作してもそれらは「手癖」として現れ、「似たような曲だなぁ…」と自他ともに思うことはあるでしょう。しかしながら、それでも新しく制作することによる微妙なブレが、新しい表現やモチーフにつながることはあります。
何も生み出さない、餌付けしかできない人物の、何がクリエイターでしょうか。

生成AIは良きパートナーであり、今後のクリエイティブなシーンにとっては不可欠な存在となることは間違いありません。例えば、アニメーションを制作するにしても、これまで人の手で行ってきたシーンA→Bの動きの間の描画補完も、生成AIによって行われることで、現場の負担を大きく軽減することになるだけでなく、背景のアニメーションを加えることによって、よりクオリティの高い作品作りに貢献できると想像するには容易いです。
しかしながら、法整備が行われず、目に余る著作物の無断学習が横行し問題視されている以上、それらがクリエイターに対して実害を与えている現状が是正され、生成AIそのものに出所不明な無断学習という地雷が含まれているリスクが完全に除去されない限り、楽曲制作において生成AIによる作編曲は行わないと、改めて公言する次第です。

良き相棒と手を取るまで、まだ時間がかかりそうです…


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11/1より施行!フリーランス保護法とは?

皆さん、おはようございます。

分岐点

2024.11.1より、フリーランス・事業者間取引適正化法…通称「フリーランス新法」が施行されました。

フリーランスが例えで挙がってはいますが、クリエイターなどの芸能職は往々にして業務に対する報酬が適切でないケースが目立ちます。芸能職に対するイメージとしては「売れるまでは貧しい、安いギャラで仕事をする」というイメージが蔓延していますが、それが正当な労働対価の妨げや、労働環境の悪化、不平等な商取引につながっていることも確かです。
今回施行されたフリーランス新法は、そういった状況を打開し、正しい商取引ができることを目的としています。

適用対象は誰なのか

フリーランス新法の対象となるのは、企業とフリーランスの業務委託(かつ従業員に準拠する雇用体系でない)に対するものとなります。ここでいうフリーランスは、フリーランス活動をしている企業から見た個人の取引相手であり、副業でフリーランス業を営む場合を含み、フリーランサーの就業状況の影響を受けません。
企業への派遣労働、企業同士、フリーランスと消費者などの非事業者に対する委託、企業に対する作品販売は対象外となります。

主な内容は?

書面による取引条件の明示

業務内容・報酬・期日・事業者名(フリーランスがフリーランスに発注する場合を含む)などを明記した書面を提示する必要があります。

報酬支払期限までの報酬支払

成果物を受領した日から60日以内に支払う必要があります。
受領後にリテイクを要請した場合であっても、リテイク対象となっている成果物を受領した日付が適用されます。

禁止行為の遵守

成果物の受領拒否、報酬額の減額、返品、買いたたきに相当する行為、企業製品の購入利用の強制、不当な経済上の利益の提供、不当なリテイク

特にクリエイター側が知っておくべきがこの内容で、提示した報酬額に対し減額する行為、実績を謳い文句に買いたたきを行う行為、契約外の業務を無償で行わせる(フリーランス側が自発的であっても強要に応じざるを得ない空気感で実施した場合を含む)、請負業務の程度を超えたリテイクは、これら禁止行為に抵触します。
但し、リテイクが業務上想定される程度の規模や回数であり業務遂行に著しく支障を来さない場合、受領拒否や返品・リテイクがフリーランス側に非がある理由の場合、この限りではありません。

ハラスメント行為に対する体制の整備

フリーランス相手にハラスメントに該当する言動を行ってはいけません。「仕事を干す」といった脅しについては、本件に十分抵触し、脅しに至る理由如何によっては、禁止行為にも抵触することとなります。

そのほか、募集情報が最新であり虚偽の記載がないこと、育児介護との両立への配慮といった項目も含まれます。

しかし、実はここに記載されている内容については、フリーランス新法よりもずっと前にある「下請法」で記載されている内容と類似しています。
これまで問題となった内容も、フリーランス新法を用いなくとも、下請法で対応することも十分可能であるとも言えるでしょう。

しかしながら、あえてフリーランス新法を施行し、同様の内容を記載する理由としては、フリーランス新法というフリーランスを守る規則をフリーランスに周知する目的が大きいと思われます。おそらく、下請法と言う存在を知らないフリーランスは少なくないことでしょう。当然ながら、自分たちを守る法規を知らないのであれば、自分たちが守られることはありません。

今日、契約内容を超えた仕事をやらされたり、無償でのリテイクを行わせていたことが問題となり、SNSでは企業に対する怒りの声が業界内外を問わず上がっていますが、本来はフリーランスと言う「1事業者」が、1事業者の責務として不当な扱いに対してはルール違反であるということを突きつけなければなりません。残念ながら、事業者としての責任の欠損が、クライアントとクリエイターの立場格差を生み、不当な報酬額や実績を売りにした買い叩きを助長してきたことは、決して否定することはできません。
事業者としての責任を持って仕事に当たる…そこに企業もフリーランスもありません。

参考文献


中小企業庁 フリーランスの取引に関する新しい法律が11月にスタート!
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/download/freelance/law_03.pdf


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小学生バンドの演奏がすごい!

皆さん、おはようございます。

火曜日にテレビを視ていたところ、「プロのロックバンドの演奏」と「小学生バンドの演奏」を聞き分けるというコーナーがありました。

存在感ある抜けのいいスネアドラム
クレッシェンドするスネアのロール
合いの手で入るギターの対旋律

これは紛うことなきプロのロックサウンド!

…結論から言うと、上のような賞賛をした方が、小学生バンドの演奏でした。
これについては、Twitter(現:X)でも、小学生バンドの方がプロの演奏だと間違う人が多発したほどでした。

プロと見紛う小学生バンドのポテンシャルの高さ…!
これは将来が期待です。

おしまい。

…終わっちゃダメだ。

プロって何だろうな

この番組では、どちらがプロのアーティストの演奏家を聞き分けるということをやっていました。
しかしながら、この話の焦点は、なぜ多くの人が小学生バンドの方をプロの演奏と聞き間違えたか、というところにあります。
多くの人は、プロが演奏したものを当てることができませんでした。
しかしながら、前述したような理由で小学生バンドの方をプロのサウンドだと判断したということが多いということは、プロと判断する理由に、演奏の上手さがあるのではないでしょうか。
この番組が「プロのアーティストが演奏した方を選べ」というのであれば、多くの人が誤答したのは、まあそういうこともあるだろう、で済まされますが、その回答が「プロとアマチュアの技量を見抜けなかった」と判断するのであれば、間違いであると言わざるを得ません。
なぜなら、小学生バンドの方が、世間一般が思うプロの音に適った音を出すことができていたからです。

…これ以上語ると批判的な言動が増えかねないのでこのあたりで締めますが、プロはプロとして、語る必要もなくプロであるに足らしめる説得力を持って然るべき、と思いました。
もちろん、音楽関係であれば歌唱や演奏だけがプロたる要素ではなく、振る舞いや商売に対する考え方も含まれますが、改めて、一般的に近いレイヤーでのプロたる要因とは何か、を考えさせられた機会でありました。


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〇〇クリエイターは今後激減する?

分岐点

皆さん、おはようございます。

分岐点

様々なクリエイターが跳梁跋扈する今日…
どこかの組織に属しながら活動していたり、組織に属さずSNSなどを中心に活動していたりと、その活動方針は多種多様です。
しかしながら、今後はとあるクリエイターが激減し、反対にとあるクリエイターの絶対数が多くなると予想しています。

それは、専業クリエイターです。

言うまでもないですが、専業のクリエイターとは、クリエイター業に係る仕事だけで収入を得て生計を立てている人のことです。そこに組織への所属やフリーランスなどの枠組みは関係ありません。
しかしながら、今後は副業などの兼業クリエイターが増え、専業のクリエイターの数は大きく数を減らしていくものと思われます。

まず、専業のクリエイターが減る理由ですが、制作案件を奪い合う同業他社が増えることにより仕事の受注数が減少していること、クリエイターを自社で抱えるなどをせずすべて外注に切り替え、組織に属して活動するケースが激減していること、10年以上前からずっと言われていますが、案件自体に十分な報酬が支払われないことが挙げられます。約1年ほど前に「インボイス制度の導入でクリエイターが危うい」と土壇場で叫ばれていたように、ちょっとの収入源によりクリエイター生命にかかわるほどにしか報酬を得られない状況が露呈しました。そもそもインボイス制度の導入の是非によらず、十分な支払いが無い状況は深刻なクリエイター問題として直ちに是正が必要ではあるものの、声を上げた人はほとんどいませんでした。

そして、副業などの兼業クリエイターが増える理由ですが、これには単純に企業自体が副業を推奨するなど、安定した収入基盤を持ちながらクリエイティブな仕事をする人が増えることが想定されるためです。常に生活苦と背中合わせの専業と、安定性を確保した上での副業では、どちらの方がのびのびと仕事に従事できるかは言うまでもありません。

なお、個人的には本来クリエイターは専業で仕事ができる状況であるべきとは思うものの、副業のクリエイターが増えることについては、本業のクリエイターを増やす土壌としての役割があるものとして推奨する立ち位置でもあります。
なぜなら、副業である…すなわち本業に会社勤めなどがある場合、社会的マナーなどのノウハウを学習できる場があるからです。昨今、プロのeスポーツプレイヤーがSNS上での暴言を理由に契約を解除されたり、VTuberが機密情報を漏洩して契約解除されるなど、本業の生命を絶たれるに等しい事例が発生しましたが、必要なスキルだけを求め、プロとしての最低限の振る舞いを学習する場がなければ、このようなプロにあるまじき振る舞いは回避できません。現場に属し、そこでの経験を経てプロになったフリーランスであれば、現場経験の中でプロの振る舞いを会得しているため、そこまで問題になることは少ないでしょう。

次に、副業での活動が恒常化するにつれ、税制や確定申告などの税務に対する勉強の土壌が共有されることにあります。当然ですが、個人事業主になる、もしくは一定以上の収入がある場合、確定申告を行い、副業での収支報告をしなければなりません。(収支報告のため、状況によっては収入があっても納税せず還付になる場合があります)
但し、収支報告を行わない場合、たとえ収入よりも支出が上回ると実感できていても、支出がわからない以上実益とみなされ、脱税とみなされる可能性があります。それを避けるためにも、一定以上の収入がある場合は、差引マイナスでも確定申告を行わなければなりません。(真っ先に同人活動の売り上げが上がることが多いですが、内容としては同じです)
また、クリエイターを保護する新法の施行や、独占禁止法・下請法など、クリエイターが憶えておくべき法律を把握しておくことにより、免税事業者を理由とした契約の打ち切りや請負価格の値下げ強要など、クリエイターが不利益を負う事案から身を守ることもできるようになります。クリエイター個人が不利益から身を守るということは、クリエイター界隈が不利益から身を守られることにつながります。

ただ、副業の恒常化の黎明期においては、いいことだけでなく、悪い側面が目立つ懸念もあります。副業で請け負うということは、クリエイター個人が自由に請負金額を設定することができるため、世間の相場よりも著しく安い価格で請負を打ち出し、実績欲しさに業界全体でダンピングが横行する懸念も否定はできません。しかし、副業で請け負うという、主収入を補完する目的がしっかりしているのであれば、相応な価格を設定することは可能でしょう。

いずれにしても、クリエイターがいなくなれば、クリエイティブな仕事を請け負える人はいなくなり、幅広い業界に不利益をもたらします。
専業兼業問わず、まずは自分たちの振る舞いが業界を作る、業界の未来を創るということを把握することが大切だと思います。


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投票に行ってまいりました

選挙

皆さん、おはようございます。

選挙
4/7は統一地方選挙の投票日です。
多くの都道府県・地方自治体で、知事選・議会選の選挙が行われます。

もちろん、朝の散歩ついでに、投票してまいりました。
投票所は少し遠いですが、散歩コースとしてはちょうどいいものです。

神奈川県知事選挙に県議会議員選挙、そして市議会議員選挙と3つ重なりましたが、それぞれ、ポスターを見たり公約を見るなどして、しっかりと票を投じてきました。

投票は国民の権利であり、有権者の義務です。
直接行政を動かすことができない以上、少しでも自分の思いに沿った議員に、投票という形で民意を表明する権利があり、有権者の義務だと思います。
確かに世代間による票田の層の厚さも違いますし、公約自体が特定の年代層に重きをおいている候補者もいることでしょう。それでも、自分の年代層がこれだけこの候補者を支持しているということを伝えれば、すぐにとは行きませんが、耳を傾けるようにはなります。
だから絶対に「面倒だから投票に行かない」「自分が投票しても世の中は変わらない」なんて諦めないでください。投票に行けば変わる可能性はありますが、変えようとしなければ絶対に変わりません。

もちろん…

  • 不在者投票のための正当な理由を求めない
  • 不在者投票所の増設および混雑緩和
  • 夜遅くまで開設する駅前に不在者投票所を設ける
  • 企業が休出や勤務時間に配慮する

など、不在者投票の物理的心理的な敷居を下げ、投票率を上げる行政の努力は必要でしょう。投票日に投票所の敷地内に出店を出すなど、ただ投票のためだけに赴くのではなく、地域活性化イベントの一環のように扱うのも面白いかもしれませんね。

 

しっかりと考え、自分の意見を1票として届けましょう。

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