経費削減の罠

皆さん、おはようございます。

小銭

今年に入ってから、やたらと多くないですか…鉄道事業者の大規模トラブル。
変電所火災に始まり、車内で乗客がハサミを振り回した…は関係ないですが、2路線における架線の溶融による終日運休など、毎週のように大規模なインシデントで首都圏の路線事情が大幅に混乱することが報じられていました。巷では「Suicaペンギンの呪い」※とまで言われたほどでした。

※Suicaペンギンの呪い:2025年末に報じられた、Suicaのマスコットキャラクター変更の報道を受け、それ以降に発生したJRでのインシデントの多発についての噂

そして最近になり、同鉄道事業者の保全・修繕費用が数百億ほど減額されていたことが発覚。架線の溶融については交換すべき架線を間違えて保全したというヒューマンエラーと言うことも報じられました。

これら一連の事件については、起こるべくして起こった事件…インシデントであると言えます。
安全に対し投資する金額である保全・修繕費用を削減したこと、そのものが直接的な原因であるとは断言できません。しかしながら、安全輸送のための資金を削減するということは、当然ながらそのしわ寄せが現場に及びます。大きな観点では、人員の削減、工期工数の削減に始まり、機材メンテナンスの不十分、機材材料の品質低下といった形で現場に悪影響を引き起こします。現場レベルで最も肌感覚に近いのは…給与の削減などの福利厚生の低下でしょうか。

経費削減は、どの企業でも利益上昇やBS(バランスシート)の改善を掲げて行われることが多いですが、それが贅肉を削ってシェイプアップするのではなく、筋肉量を減らして減量に成功できた体験を求めるケースに陥ることが多いものです。
経費削減を掲げて削ったのは、削ってはいけない屋台骨です。

必要な領域に手を付けて削減すれば、必ずその報いを受けます。
おしまい。

…終わっちゃダメだ。

クリエイターも例外ではない

今回の話は別に関心の高い時事に言及することが目的ではなく、同じことをクリエイターもやっているのではないか、ということです。
とりわけ芸能職のクリエイターでは、多少の業界慣習も影響はしますが、仕事を受注したいがために、本来受け取るべき適正金額から逸脱した安価を掲げてしまう傾向があります。
これについては、同業他社を含めた業界のデフレという悪循環を引き起こし、買いたたきを助長しかねないことに警鐘を鳴らすことは多いですが、個人レベルで問題であるということに真っ先に気づかなければなりません。

生計を立てるために月20万円必要であるなら、月の報酬は20万円稼げればいい…と考える人はいません。20万円稼げない時が発生するかもしれませんし、何より突発的な出費が発生するかもしれません。
簡単にリスト化すると、以下の通りです。

  • 機材の故障・メンテナンス・買い替え
  • 傷病による医療費の発生
  • 賃貸物件の更新・賃料改定
  • トラブルに対処するための諸経費
  • 報酬の未払い、支払の遅延

クリエイターとして生業を成立させていても、常に安定した金額が入ってくるとは限りませんし、出費が一定額で収まるとは限りません。何より、使用している機材が、ある日突然、使用不能になる可能性だってあります。もしその時に、対処するだけの余力が手元に残っていなければ、事業を継続できず、廃業に追い込まれる可能性だってあり得ます。
もしその局面で、食費を削ろう、睡眠時間を削って作業量を増やそうなど、屋台骨に手を付けてしまうと、今度は健康を損なうリスクが高まり、緩やかな死に向けて加速するだけです。

提示している金額は、果たして将来的なリスクに備えているでしょうか?
月収入は、果たして将来的なリスクに対処できるほどでしょうか?

そのためには、どれだけの金額を頂くことが必要なのか、を考える必要があります。
逆を言えば、それができれば、自ずと適正価格を掲示することができるようになりますし、クリエイターを生業としたいという人がひとりでも多く、それを認識してほしいと思うものです。


楽曲制作承ります!

NRTサウンドは1曲より楽曲制作を請け負います。
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金額とは●●の表れ

皆さん、おはようございます。

小銭

楽曲制作に限らず、制作の請負については金銭の授受が伴うものが大多数です。
その金額も、同じ業種、同じ業務内容、同じ成果物でも、金額の差は人により大きく変動します。
依頼する側にとっても、同じ業種、同じ業務内容、同じ成果物でも、提示する金額は人により大きく変動します。

では、依頼する/依頼を請ける際に提示される金額とは、一体なんでしょうか?

事業として、プレミアのあるクリエイターに依頼するから、必要最低限のため…様々な事情が絡んでくると思いますが、往々にして提示される金額の意味とは、これであると考えます。

提示する金額とは、その人の覚悟の度合いである。

プロと言うのは、事業を生業として生きています。
当然、仕事が無く収入が無ければ事業は成り立たず、食べていくことはできませんが、たとえ仕事があったとしても、十分な収入が無ければ事業は成り立たず、同じく食べていくことはできません。
仕事の量と収入額には、必ずしも比例関係があるとは限らないのです。

SNSではよく、クライアントによるクリエイターへの買いたたきが炎上し、やり取りの一部始終を晒すということで問題が浮上することがあります。また、クリエイター自身も実績作りのために無償での作業を公言することがあります。
しかし、クライアントの提示額が低いということは、「提示額が低ければ誰でもいい」と言うことであり、請け負っている業務は誰が担当しても特段問題ないという、品質に対するこだわりがなく、品質のある物を届ける責任を担う覚悟がないと言っても過言ではありません。また、クリエイターの提示額が低いということは、「何か不利な状況があった際に金額を隠れ蓑にする」という逃げ道を作り、請け負っている業務がどう転ぼうとも関知しないと言っているのと同等です。

NRTサウンドの請負金額は、事業を成立させるための金額を提示しているため、趣味の一環や相場に明るくない方にとっては高いと感じることも多いかもしれません。
しかし、その分、案件に対してクライアントが求めるものは何かを察し、クライアントが求める成果に対し不足しているものは何か提案し、楽曲を制作して終わりというだけでなく、楽曲を制作して納品したそこからがスタートだと捉える、「音楽で仕事をお手伝いする」覚悟を持って取り組んでいます。

制作を生業としているのであれば、それこそ同じぐらいの金額で、同じくらいかそれ以上の覚悟を持って仕事に臨んでいる人は少なくないでしょう。もしそこに、平均的な相場を大きく逸する金額を提示する、無償でもいいので仕事をしたいと持ち掛けてくる同業者がいるのであれば、仕事に対する覚悟が怪しいとみてもいいでしょう。安さを売りにする人であれば、ポートフォリオを捏造したり、ひとたび何かあれば仕事を途中で投げ出すなどのリスクを抱え、それはクリエイターに依頼して成果物を得て遂行されるべきプロジェクトを頓挫させる由々しい問題になりかねません。
適当に生成AIに楽曲を放り込んでそれっぽい曲を作らせるのであれば、ものの数十分で楽曲は完成し納品できるため、安く上げることはできると思いますが、楽曲の無断学習が発覚したり、生成AIを使ったことが発覚したことでひとたびトラブルともなれば、企業のイメージダウンにより浮いた金額などあっという間に消し飛びます。

考えてみませんか、対価のこと。


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テレビを視ているとやたらと●●がかかる

皆さん、おはようございます。

考える人

最近のテレビ番組を視ていて思うのですが…

・ロケ中に移った道行く人々に
・テニスのような球技の試合で応援する観客に
・道の駅を訪れた際の店内の客に
・グルメ旅で訪れた店の紹介中に映り込んだ客に
・過去に放送された番組の登場人物に

顔の部分に悉くボカシがかけられています。

確かに今の時代、プライバシー保護遵守の意識は高いのですが…
そもそもテレビ番組という出演者や風景などの取材対象物を映すものについて、そこに映り込んだ一般人の顔にボカシをかけるのは、正直行き過ぎているとしか思えません。
確かにプライバシー保護の観点は大切ですが、これが遠くから特定の一般人をカメラに収めることを目的としているならまだしも、出演者以外の人物を映すことが目的でない以上、画面に映り込んだ一般人にボカシをかけるのは不相応な気がします。そもそも少し前まではボカシはかけられていませんし、生放送では映り込んだ一般人にボカシをかけることはできません。何より、過去に映り込んだ一般人から「勝手に映され、プライバシーを侵害された」と訴訟された事例はあったでしょうか。

そしてこれは、私人によるSNSに写真や動画を上げた際に人が映りこんだ場合についても、画像加工をしなければならないといった風潮をもたらす結果となり、非常に息苦しい世の中になったものだと言わざるを得ません。

適切な法規は人権を守りますが、行き過ぎた規制は人権を守る以上の不便をもたらします。
なぜ法規があるのか、法規を守ることのメリットは何か、その法規が行き過ぎればどんな不利益があるのか…それを考えないとより息苦しい社会に進んでいってしまうでしょう。

その作品の価値はいくらなのか

皆さん、おはようございます。

小銭

楽曲に限った話ではないですが、何かを作ってもらう際に必ず課題となるのが、料金。
当たり前ですが、有償での依頼というものは、依頼した相手がそれを生業としているという以上、正当な代価を頂く必要があります。

しかしながら、それでも依頼する際の料金は、お世辞にも安い、問題ないといったレベルで済まされないケースが多いものです。
そこには、普段から外注することに慣れていない方から見れば、どれだけの料金がかかるか想定がつかない、その想定した料金が手元にないことがあります。

ところで…
同じ楽曲を制作してもらうにしても、50000円で制作を依頼した場合と、5000円で制作を依頼した場合、果たしてそこに価値の差はあるのでしょうか?

結論から言うと、制作を依頼した楽曲の価値は、支払を行った金額そのものです。
もちろん、人によっては「支払った以上の価値がある物だった」と感じることも間違ってはいませんし、本来は支払以上の価値を提供することは、クリエイターのみならず、商売人として当たり前の話であります。

では、5000円で制作を依頼した場合、その楽曲の価値は本当に5000円でしょうか?
もちろん、先の話の展開からすれば、5000円以上の価値が出るとは思います。
しかしながら、ここには大きな落とし穴があります…

楽曲制作に5000円を支払うというのは、余程のことがない限り、その目的は「5000円程度の金額で楽曲制作する人を探す」ことではないでしょうか。
つまり、安価な金額を提示した人に楽曲を作らせれば、それでいい…つまり、制作した楽曲の価値が5000円程度であると、依頼した側があてはめてしまうこととなります。
もし、しっかりと勝負できる楽曲が欲しい、目的を完遂するに足りる楽曲が欲しいというのであれば、5000円では叶いませんし、願いを叶えたいのであれば、それよりもはるかに高い金額を提示する覚悟を持っているはずです。

クリエイターに対する不当な低額の提示は今も問題であり、プロとして恒常的に活動しているクリエイターに対しての無償提供を当然とばかりに要求するケースは、後を絶ちません。
そのためにはクリエイター側が毅然として無償依頼や安請負に対してNOを突きつける必要と責任がありますが、とりわけ「プロとして大成するまでは一人前の金額は取れません」「値引きをすることで仕事獲得につなげたい」というケースがあり、それを見た人がクライアントとなった際に、こういったケースを例示し、クリエイターに不当な買いたたきを行う流れにつながり、クリエイター問題の撲滅を阻んでいます。

クリエイターを買い叩くトラブル、クリエイター側も不当に安い金額や無償請負に応じる事案はどうしたら減らすことができるのか…
そこには、クリエイター自身が事業者として自覚し、職務を全うし報酬を頂くことに責任と覚悟を持ち、クライアントも彼らへの依頼がクリエイターを活かし、ビジネス価値を生むプロダクトを作る協力者を育てる土壌を維持していくことを理解する必要があるでしょう。


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ブラヴォーご法度

皆さん、おはようございます。

10月の3連休にちょっとした騒動が報じられました。

演奏が終わった直後に間髪入れず「ブラヴォー!」と叫ぶのはおやめください―

オーケストラ楽団が出したメッセージです。
オーケストラコンサートについては、演奏が終わり、指揮者がタクト(指揮棒)を下ろしたところで演奏の終了が宣言され、大きな拍手で迎えられるという通例があります。
(楽章の終わりについては楽曲がきれいに締まって静寂になりますが、タクトを下ろさないので演奏を継続する、ということになります)
今回問題になっているのは、タクトを下ろす前に「ブラヴォー!」と叫んでしまったことにあります。いわば、まだ演奏が終わっていないのに演奏終了を宣言されたことが問題となっています。これについて、オーケストラ楽団側が堪えかね、SNS上にメッセージとして発信したというのが今回の騒動の顛末です。

オーケストラの演奏は、最後の1音が演奏され、残響が消えたそのタイミングまで演奏が続いています。拍手が起こるべきタイミングを計算して、指揮者はタクトを置きます。
なので、タクトを置いてから拍手喝采と行きましょう。

また、オーケストラコンサートにはカーテンコールと呼ばれる、いわばアンコールに相当するものがあるのがお約束ですが、これについてもアンコールと声に出すことはありません。大体は会場が手拍子を揃えている状況となります。

というわけで、オーケストラコンサートに赴く際は、最後の1音が途切れてから拍手をするようにしましょう。

おしまい。

…終わっちゃダメだ。

敷居を徒に高めることなかれ

今回の騒動は、常習的にフライングブラボー(フライングしなくても問題になっていたかもしれないが)をする人がいることが問題ではありましたが、この問題で懸念するのは、オーケストラコンサートの敷居が高くなってしまうことです。

オーケストラコンサートには、会場に不相応でないドレスコードや、未就学児の入場制限、上演中のスマートフォンの使用、雑音を立てるなどの禁止事項があります。サイリウムを振り回すなどもってのほかです。
しかし、今回の騒動を受け「やっぱりオーケストラコンサートは庶民には敷居の高いものなんだ…」と尻込みし、オーケストラコンサートへ足を運ぶことを止めてしまうケースが増えてしまうことは懸念しています。

確かにオーケストラコンサートはいろいろと注意すべきことはありますが、基本的なルールはパンフレットなどに書いてあります。それ以外については、コンサートホールのふかふかの椅子に深く腰掛け、ゆったりと管弦の調べに身を委ねれば、なにもマナーに抵触することはありません。
オーケストラコンサートは怖いもの、というイメージを持たず、CDにはないダイナミクス、ピアニッシモさえもしっかりと届く音響、オーケストラ楽器の迫力と優雅なサウンドを楽しむことができる場であってほしいと思うものです。

ちなみに、楽章の間で拍手する、ということについてはマナー違反ではありません。ただ、楽章の間で拍手することを嫌い、楽章の終了から次の楽章まで、楽器を均した状態でバトンタッチするという楽曲が生まれたというエピソードもあります。


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AIより任せた方が楽。

皆さん、おはようございます。

考える人

生成AIはもはや、ビジネスシーンにおいては身近な存在となっていますが、その一方で適さない局面がある、というのは過去にも記事にしてきました。
とりわけ、クリエイティブな局面と言うのは、生成AIに取って代わられると言われることが多いのですが、生成AIの仕組みを考えるほど、実は取って代わられにくいのではと思うことも多くなります。

少し前に、和歌山市で生成AIを使ったご当地キャラの作成が物議を醸しました。
作成に当たっては著作権をクリアしているとして問題はないのですが、生成AIについて熟知していない限り、同じ試みに続けとばかりに突撃したところで、トラブルに首を突っ込んでしまうことになりかねないでしょう。

生成AIを使い、キャラクターを新たに生み出すこと自体は法的問題はありません。
しかしながら、それについては、様々なクリアすべき要件があります。

  • 生成AIに使用している学習データが著作権上の制限をクリアしていること
  • 生成AIがベースとしている学習データベースに違法性がないこと
  • 生成AIの使用目的の範疇で行われていること

特に、生成AIに使用している学習データが著作権上の制限をクリアしていることについては、その状況を揃えることが難しいこと、その状況を揃えることが非効率的であることが挙げられます。
なぜなら、公表することを前提としたイラストを制作するにおいて、生成AIに学習させるために著作権上の制限をクリアしているデータを用意するのであれば、手元に「生成AIへの使用を許諾された素材」があることが必要となります。もし手元に素材が無く、手頃なイラストを学習させれば、たちまち著作権に引っかかりアウトとなります。すでに公表済みで使用可能な過去の素材についても、当時は生成AIへの学習と言った要項はなかったため、新たに許諾を取り直す必要があるでしょう。

だったら、生成AIに学習させても問題ないイラスト素材を作ってもらえばいいんじゃないですか?

その通りです。
ですが、それだったら最初からこういう素材を作ってってプロに頼んだ方が手っ取り早くありませんか?
(「ラクダを前から押さえてくれ」という小話を思い出しました ※閲覧は自己責任で)

結局のところ、手元にAI学習が使用可能な素材が無ければ、生成AIにより新しいイラストを作っても公表できないというジレンマに陥ります。もしこれを検知できないというのであれば、生成AIを使うべきではありません
生成AIを使用したことによって浮いた時間や費用は、トラブル一発で組織の信頼もろとも簡単に消し飛びます。

生成AIは法規制が追い付かず、その存在が世に知れたときには、生成AIに対する嫌悪を煽るようなトラブルが起こり、否定的な見解を持つ人が増えてしまったのは悪手だったと言わざるを得ません。
生成AIは正しく使えば、クリエイターにとって最大の相方となります。創りたいものを1つでも多く創るために作業を効率化するには、その能力は欠かせません。しかしながら、法規制や学習データのクリアランスなど、その課題は未だ残り続けます。

生成AIと敵対しない、生成AIと手を組む、そのためにも、共存できる状況を作るべく、最大限努力しなければなりません。


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