吸音材に防音効果はあるのか(1)

皆さん、おはようございます。

吸音材

吸音材です。
レコーディングスタジオが映った際に、壁がこんな感じなのを目にするかと思います。
実際、楽曲制作では用いられることが多いものです。

では、吸音材はどんな目的で使用されているのでしょうか。

…ん?
まるで「吸音材は音を吸うから防音目的じゃないの?」って声が聞こえてくるかもしれません。

結論から言うと、防音目的は正答ではありません。

モニタースピーカーから出た音は、スピーカーを出た後、壁や天井や床、家具、機材自身などに反射します。つまり、モニタースピーカーから音を出すと、出た音に加えて、部屋内を反射してきた音と混ざって聴こえ、意図しない残響を生み出します。そのため、リバーブなどの残響系プラグインをかけた際に、想像以上に残響がかかったかのように錯覚してしまい、リバーブが足りなくなるだけでなく、特定の音が増幅して聴こえたり、減衰して聴こえたりと、「モニター」の名に反した聴こえ方をしてしまいます。特にモニタースピーカーから出て1回の反射で自分自身に返ってくる「一次反射音」は、反射音としてのエネルギーが大きく、モニター環境に大きな影響を及ぼします。
そこで、反射する位置にこのような吸音材を置くことで、一次反射音を表面の凹凸で分散させたり、吸音材自体でクッションの役割を果たし、一次反射音のエネルギーを弱めることができます。それだけでなく、他の壁や天井などで跳ね返った残響音を吸収して部屋のモニタリング環境を保つ役割を果たします。

しかしそのような言い方では、まるで吸音材は防音目的ではないというようなものではないかとの声が再度上がってくるかと思います。

結論から言うと、吸音材には世間一般で言う防音効果はほとんどありません。

(次回に続く)


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