皆さん、おはようございます。

SNSでは定期的に、制作依頼に関するトラブルが議論を呼ぶことがあります。
直近では、SNSのDM経由で依頼された案件に対して不相応の低価格での依頼と、文面が横柄だったことをクリエイター側がDMを晒して問題となりました。
これについては、「DMを晒すのは案件を請けるものとして最もやるべきではない」「相場がわからないのだからわからない故に低価格を提示したら一方的に晒され悪者にされた」といった依頼者側を擁護する意見もあれば、「あまりにも低価格すぎてクリエイターを舐めてる」「わからないならば相場を訊けばいい」「依頼者として態度が横柄すぎ、怒るのも無理もない」といったクリエイター側を擁護する意見もあり、見事に二分しています。
ただ、こういった案件は、クリエイター側も、依頼者側も、双方を不幸にする事例と言わざるを得ません。クリエイターは正しい額面を提示しないと私的制裁の憂き目にあうという不安を与え、クライアントとの距離を徒に遠ざけてしまいます。
結論から言うと、ご自身が依頼する側に立った場合は、用途に合わせて見積を請求するのがベストです。
殆どの場合、見積の請求は無料であり、見積の請求=案件受注の可能性であるため、クリエイター側は見積請求は喜ばしいこととして捉えられます。
・どんな用途で使用するのか
・いくつ必要なのか
・どんなスペックが必要なのか
・(明確であれば)予算
用途については、イラストであれば動画用の1枚絵や立ち絵、ジャケットのイラストなどの使用目的を記入します。
いくつ必要なのかは、作品の数ですね。ゲームであれば楽曲が何曲必要なのか、キャラクター1人の表情差分や立ち絵差分といった、必要な点数を記入します。
どんなスペックかについては、用途である程度決まってくるところはあります。
そして最後に予算ですが、これはどれだけの予算を見込んでいるのか、予算をオーバーする場合はどれくらいまで許容できそうなのかを書いておくといいでしょう。残念ながら、予算と制作料金の乖離が大きい場合、見積こそ出せるものの、受注・発注に至らない可能性は高くなりそうですが、クリエイター側からしても、予算と受注額の乖離があることを理由に、クライアントを攻撃するような態度を取ることはありません。
クリエイター問題は今に始まったことではなく、無料請負や過度なダンピング、案件欲しさにクリエイター自身からの無償受注の売り込みといった問題は根深く残り、それがSNSで情報共有される時代になり、近年になり表面化されてきました。
今回の事案を見るからに、DMを晒すというのは秘匿義務の不履行に当たるNG行為ではありますが、依頼者側が横柄な態度を取ったという、上の立場であることを誇張したことが引き金であるとも言えます。もし単に予算に対して金額が乖離していただけの問題であれば、ここまで荒れる展開にはならなかったでしょう。
ただ、忘れてはいけないのは、クリエイターもクライアントも、同じ成果物を完成させるという共通した目的に向かう「仲間」であるということです。
予算と見積の乖離とか以前に、発注の交渉するところから作品作りは始まっています。改めて、クリエイターとクライアントはどうあるべきか、それを見直す機会とし、協力関係として目標達成に歩めることが当たり前になる未来が来ることを願うばかりです。
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