「東京に出なくていい」に反発する理由

皆さん、おはようございます。

忘れていなかったので、前回の続きです。

前回は、朝ドラはやたらと「地方から上京したはいいが何かしらの理由で地元に戻る」展開に着地しがちとお話ししました。
東京を捨て、地元に戻ることが正であるという考えがあるなら、わたしの場合、東京で仕事をすることが正であると思っています。

NRTサウンドを立ち上げる前、2012年でした。
当時地元に住み、フリーターだった自分が、音楽制作の仕事をあっせんしてくれるということで、六本木にある事務所へと赴きました。簡単に言うと芸能プロダクションでした。
履歴書とデモ音源を持ち、そちらに赴いて説明を聞きます。わたしと同様、説明会に参加していたのは他に数人いました。
しかし、周りを見ると、早速仕事についての説明を受ける一方、こちらに対しては「仕事がありましたら連絡いたします」と告げられ、説明会会場を後にしました。

あとはご想像の通りです…このプロダクションから仕事が振られることはありませんでした。

ただ、説明会で仕事があったら連絡すると言われた際に添えられた一言は、今もなお記憶に残っています。

 ―たとえ仕事を請けたとしても、地方から度々出てくるには時間もかかるし、交通費も負担することになる…だとすると、仕事を請けたとしても、その手取りはどれほど残るだろうか

残念ながら、10年経った今でも、この結論を覆すことはできません。
確かに、テレワークでコミュニケーションからデータ送受信までやり取りができる時代です…皮肉にも、コロナ禍がテレワークでのやり取りに拍車を掛けました。
しかし、じゃあ今同じことを行ったら結果が変わるかと言えば、その答えはNoです。

大きな理由は、人と会うことができないからです。

ただ楽曲を作るだけならテレワークでもできますし、多少の指示だったらテレワークでも可能です。
しかし、立ち合えば収録の際にすぐにアドバイスができ、すぐにフィードバックできるのに対し、テレワークでは成果物を受け取ってフィードバックする分だけ時間がかかりますし、人によっては仕事上でのやり取りとはいえ、SNSやメールでの頻繁なやり取りにつかれてしまうというケースも多いでしょう。特に芸能職ではその影響は看過できるものではありません。

特に、今回挙げたケースについては、立ち合いが必要となる仕事も少なからず発生する以上、こういった立ち合いができないことが負担となり、敬遠されてしまうこともあるでしょう。
それに、東京に限りませんが、大都市に出ることのメリットは簡単です…
人が多くいるから、大都市なんです。
地元と大都市、近くに頼れる人がどれだけいるか、どれだけ集めやすいか…その答えは明白です。
人が集まるということは、需要が集まることとイコールです。

もちろん、地方で活躍しているクリエイターも少なくはありませんが、その経歴を見ると大都市近郊に住んでいたり、東京に住んでいた時期があったりといった背景がありました。
その状況で「東京になんて出なくても仕事はできる」と言われても、説得力がありません。
ゼロから地元で仕事をすることと、東京に出た上で地方に戻り仕事をするは、全くの別物です。

でも、正直言うと東京に出るべきか否か、その答えに正解はないと思います。
先に書いた経緯があるので、わたしの場合は東京に出ることが正であると組分けされただけですし、地元で仕事をして成功すれば、東京に出る必要がないという答えが正でしょう。
ただ、東京にいれば、機材は調達しやすいしスタジオも近いし、人と会うにも時間が少なくて済む(あとは車が無くても行動できる)…そういったアナログな便利さがあることは確かだと思います。


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