その作品の価値はいくらなのか

皆さん、おはようございます。

小銭

楽曲に限った話ではないですが、何かを作ってもらう際に必ず課題となるのが、料金。
当たり前ですが、有償での依頼というものは、依頼した相手がそれを生業としているという以上、正当な代価を頂く必要があります。

しかしながら、それでも依頼する際の料金は、お世辞にも安い、問題ないといったレベルで済まされないケースが多いものです。
そこには、普段から外注することに慣れていない方から見れば、どれだけの料金がかかるか想定がつかない、その想定した料金が手元にないことがあります。

ところで…
同じ楽曲を制作してもらうにしても、50000円で制作を依頼した場合と、5000円で制作を依頼した場合、果たしてそこに価値の差はあるのでしょうか?

結論から言うと、制作を依頼した楽曲の価値は、支払を行った金額そのものです。
もちろん、人によっては「支払った以上の価値がある物だった」と感じることも間違ってはいませんし、本来は支払以上の価値を提供することは、クリエイターのみならず、商売人として当たり前の話であります。

では、5000円で制作を依頼した場合、その楽曲の価値は本当に5000円でしょうか?
もちろん、先の話の展開からすれば、5000円以上の価値が出るとは思います。
しかしながら、ここには大きな落とし穴があります…

楽曲制作に5000円を支払うというのは、余程のことがない限り、その目的は「5000円程度の金額で楽曲制作する人を探す」ことではないでしょうか。
つまり、安価な金額を提示した人に楽曲を作らせれば、それでいい…つまり、制作した楽曲の価値が5000円程度であると、依頼した側があてはめてしまうこととなります。
もし、しっかりと勝負できる楽曲が欲しい、目的を完遂するに足りる楽曲が欲しいというのであれば、5000円では叶いませんし、願いを叶えたいのであれば、それよりもはるかに高い金額を提示する覚悟を持っているはずです。

クリエイターに対する不当な低額の提示は今も問題であり、プロとして恒常的に活動しているクリエイターに対しての無償提供を当然とばかりに要求するケースは、後を絶ちません。
そのためにはクリエイター側が毅然として無償依頼や安請負に対してNOを突きつける必要と責任がありますが、とりわけ「プロとして大成するまでは一人前の金額は取れません」「値引きをすることで仕事獲得につなげたい」というケースがあり、それを見た人がクライアントとなった際に、こういったケースを例示し、クリエイターに不当な買いたたきを行う流れにつながり、クリエイター問題の撲滅を阻んでいます。

クリエイターを買い叩くトラブル、クリエイター側も不当に安い金額や無償請負に応じる事案はどうしたら減らすことができるのか…
そこには、クリエイター自身が事業者として自覚し、職務を全うし報酬を頂くことに責任と覚悟を持ち、クライアントも彼らへの依頼がクリエイターを活かし、ビジネス価値を生むプロダクトを作る協力者を育てる土壌を維持していくことを理解する必要があるでしょう。


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ブラヴォーご法度

皆さん、おはようございます。

10月の3連休にちょっとした騒動が報じられました。

演奏が終わった直後に間髪入れず「ブラヴォー!」と叫ぶのはおやめください―

オーケストラ楽団が出したメッセージです。
オーケストラコンサートについては、演奏が終わり、指揮者がタクト(指揮棒)を下ろしたところで演奏の終了が宣言され、大きな拍手で迎えられるという通例があります。
(楽章の終わりについては楽曲がきれいに締まって静寂になりますが、タクトを下ろさないので演奏を継続する、ということになります)
今回問題になっているのは、タクトを下ろす前に「ブラヴォー!」と叫んでしまったことにあります。いわば、まだ演奏が終わっていないのに演奏終了を宣言されたことが問題となっています。これについて、オーケストラ楽団側が堪えかね、SNS上にメッセージとして発信したというのが今回の騒動の顛末です。

オーケストラの演奏は、最後の1音が演奏され、残響が消えたそのタイミングまで演奏が続いています。拍手が起こるべきタイミングを計算して、指揮者はタクトを置きます。
なので、タクトを置いてから拍手喝采と行きましょう。

また、オーケストラコンサートにはカーテンコールと呼ばれる、いわばアンコールに相当するものがあるのがお約束ですが、これについてもアンコールと声に出すことはありません。大体は会場が手拍子を揃えている状況となります。

というわけで、オーケストラコンサートに赴く際は、最後の1音が途切れてから拍手をするようにしましょう。

おしまい。

…終わっちゃダメだ。

敷居を徒に高めることなかれ

今回の騒動は、常習的にフライングブラボー(フライングしなくても問題になっていたかもしれないが)をする人がいることが問題ではありましたが、この問題で懸念するのは、オーケストラコンサートの敷居が高くなってしまうことです。

オーケストラコンサートには、会場に不相応でないドレスコードや、未就学児の入場制限、上演中のスマートフォンの使用、雑音を立てるなどの禁止事項があります。サイリウムを振り回すなどもってのほかです。
しかし、今回の騒動を受け「やっぱりオーケストラコンサートは庶民には敷居の高いものなんだ…」と尻込みし、オーケストラコンサートへ足を運ぶことを止めてしまうケースが増えてしまうことは懸念しています。

確かにオーケストラコンサートはいろいろと注意すべきことはありますが、基本的なルールはパンフレットなどに書いてあります。それ以外については、コンサートホールのふかふかの椅子に深く腰掛け、ゆったりと管弦の調べに身を委ねれば、なにもマナーに抵触することはありません。
オーケストラコンサートは怖いもの、というイメージを持たず、CDにはないダイナミクス、ピアニッシモさえもしっかりと届く音響、オーケストラ楽器の迫力と優雅なサウンドを楽しむことができる場であってほしいと思うものです。

ちなみに、楽章の間で拍手する、ということについてはマナー違反ではありません。ただ、楽章の間で拍手することを嫌い、楽章の終了から次の楽章まで、楽器を均した状態でバトンタッチするという楽曲が生まれたというエピソードもあります。


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アド街の終盤に流れるあの歌

皆さん、おはようございます。

タイトルの通りです。
土曜日はアド街(出没!アド街ック天国)を見てから寝るというルーチンが定着してきました。
そこの街百景で流れるアコースティックな歌が、最近いい曲だなと思うようになったので今回は記事にしました。

クリーンなギターの音が印象的な軽音楽編成で、歌詞は町中の散歩をイメージした軽快かつ爽快な曲ですが、サビの部分のフレーズに心惹かれるものがありました。

「ただいま、おかえり、夕飯は何?」

まるで夕暮れまで遊んできた子供たちが家に帰ってきたかのような光景じゃないですか。
こういった日々が毎日繰り返されること、本当に尊いものだなと思う限りです。

いつもの生活を送り、遊び、近所の人と触れ合い…夕方には家に帰り、家族と団らん。
そして夜もふけてきたし寝ようか、という、何気ない風景。
思えば、そういう風景と無縁な人は多くなってしまったのではないだろうか。

生活のためにお金が必要で、満員電車に揉まれ残業をして遅くになって帰ってくる…
学校ではいじめに遭い、不登校になったり、場合によっては自ら未来を閉ざす選択肢を取ってしまう…
SNSで人付き合いに一喜一憂し、攻撃的な意見に疲弊してしまう…
クリエイターからすれば生成AIによるトラブルや契約回りのトラブルなど…

まるで昔の平和な光景がファンタジーになってしまったかのようで。
例え、戦争が起こらなくても、巻き込まれていなくても、決して平和とは言えない状況は、身近なところにあちこちにあります。武力を用いない、個人単位であっても、自分は今、戦争に巻き込まれていると感じる人もいることでしょう。

贅沢は求めません。
トラブルのない、何気ない幸せをかみしめられる…そんな生活ができる人が増えることが、真に求める平和だなと、この曲を聴くたびに思うのです。


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もしも生成AIに手伝わせるとすれば

皆さん、おはようございます。

工具

奇しくも生成AI談議になってしまった昨今の記事更新ですが、生成AIを使用した制作すべてを否定するものではないことは、念のため断りを入れておきます。
現状、生成AIを使用して楽曲自体を作曲・編曲し、生成されたものをそのまま成果物として使用する場合については、著作権上のクリアランスが保証されない以上、導入することはできません。
しかしながら、著作権上のクリアランスが保証されるないし、著作権上のクリアランスの懸念を考慮しなくていい場合については、生成AIを使用することによる制作は、クリエイティブな作業を促進し、著しい効率化をもたらす良い相棒になることは言うまでもありません。

では、どういう状況であれば生成AIを制作に導入したいと思うでしょうか…
それについて、自分が生成AIを導入するのであればこれに使いたい、と言うことを吟味していきたいと思います。

ギターやベースを指示通りに演奏させたデータを作成させる

AIに「この小節でこのコードを、リズムはこんな感じで、サビはこういう感じで」と指定し、指定したものを打ち込みのデータとして生成させることには利用したいと思います。特にギターパートの作成はシミュレーションが難しく、更に入力や微調整の手間が多くなります。そこにこういうパターンでコードに合わせて演奏を想定したデータが生成されれば、あとは細かなニュアンスを微調整するだけになります。
もちろんギターを弾けるのであれば生演奏の方が圧倒的に質が高いですが、キーを変える、テンポを変える、ギターの出音を変えるといった小回りが利かないことが欠点となります。

ドラムパターンを入力し、人間っぽさをプラスする

ドラムはリズムを刻み、楽曲のリズムの根幹を担うという特性上、どうしてもドラムパートを作る場合は単調になりやすいことが欠点です。
しかし、「ゴーストノートをよしなに入れて」「連打は若干走った感じにして」など、微調整を指定することで、繰り返しのパターンを微妙に差分を持たせ、コピペした感を減らすことが可能となります。

リファレンスとなる楽曲から、マスタリングの際のEQ調整などをガイドする

「この楽曲のような質感にしたい」と、リファレンス曲を読み込ませ、現在作業中の楽曲と比較し、差分を文章または表で表したり、差分を補正するようにプラグインに設定させることができれば、ミックスやマスタリングにかかる時間を大きく削減することができると思います。
但し、この作業については生成AIに著作物を読み込ませ学習させるプロセスが発生するため、指定して読み込ませたものだけを使うことが明確に定義されていなければ、実行することは難しいでしょう。
なお、この作業で著作権を保持していない楽曲を読み込ませた場合でも、周波数帯域の分布およびその補正データについては著作権が発生しないため、権利侵害にはならないものと判断できます。

以上が、生成AIを使用するとしたら、ということで、作業を依頼したい内容となります。
いずれにせよ、ドラムやギターのパートをオーディオデータではなく入力用データとして生成させる背景には、微調整が利くなどのメンテナンス性のほか、入力用データそのものには著作権が発生しないため無用なトラブルを回避できることが挙げられます。

生成AIは、クリエイターの助けとなれば最高の相棒となる一方、権利侵害の助長の懸念をそのまま具現化すれば、最悪業界自体に深刻なダメージをもたらす悪魔の道具ともなり得る諸刃の剣です。
しかしながら、頑なに生成AIを使用しない制作を続ければ、それは無用な非効率を選び続けることにもつながります。

生成AIが、クリエイターにとって最高のパートナーになる日が1日も早く到来するために、業界に携わる者という自覚を持って、取り組んでいかなければなりません。


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AIより任せた方が楽。

皆さん、おはようございます。

考える人

生成AIはもはや、ビジネスシーンにおいては身近な存在となっていますが、その一方で適さない局面がある、というのは過去にも記事にしてきました。
とりわけ、クリエイティブな局面と言うのは、生成AIに取って代わられると言われることが多いのですが、生成AIの仕組みを考えるほど、実は取って代わられにくいのではと思うことも多くなります。

少し前に、和歌山市で生成AIを使ったご当地キャラの作成が物議を醸しました。
作成に当たっては著作権をクリアしているとして問題はないのですが、生成AIについて熟知していない限り、同じ試みに続けとばかりに突撃したところで、トラブルに首を突っ込んでしまうことになりかねないでしょう。

生成AIを使い、キャラクターを新たに生み出すこと自体は法的問題はありません。
しかしながら、それについては、様々なクリアすべき要件があります。

  • 生成AIに使用している学習データが著作権上の制限をクリアしていること
  • 生成AIがベースとしている学習データベースに違法性がないこと
  • 生成AIの使用目的の範疇で行われていること

特に、生成AIに使用している学習データが著作権上の制限をクリアしていることについては、その状況を揃えることが難しいこと、その状況を揃えることが非効率的であることが挙げられます。
なぜなら、公表することを前提としたイラストを制作するにおいて、生成AIに学習させるために著作権上の制限をクリアしているデータを用意するのであれば、手元に「生成AIへの使用を許諾された素材」があることが必要となります。もし手元に素材が無く、手頃なイラストを学習させれば、たちまち著作権に引っかかりアウトとなります。すでに公表済みで使用可能な過去の素材についても、当時は生成AIへの学習と言った要項はなかったため、新たに許諾を取り直す必要があるでしょう。

だったら、生成AIに学習させても問題ないイラスト素材を作ってもらえばいいんじゃないですか?

その通りです。
ですが、それだったら最初からこういう素材を作ってってプロに頼んだ方が手っ取り早くありませんか?
(「ラクダを前から押さえてくれ」という小話を思い出しました ※閲覧は自己責任で)

結局のところ、手元にAI学習が使用可能な素材が無ければ、生成AIにより新しいイラストを作っても公表できないというジレンマに陥ります。もしこれを検知できないというのであれば、生成AIを使うべきではありません
生成AIを使用したことによって浮いた時間や費用は、トラブル一発で組織の信頼もろとも簡単に消し飛びます。

生成AIは法規制が追い付かず、その存在が世に知れたときには、生成AIに対する嫌悪を煽るようなトラブルが起こり、否定的な見解を持つ人が増えてしまったのは悪手だったと言わざるを得ません。
生成AIは正しく使えば、クリエイターにとって最大の相方となります。創りたいものを1つでも多く創るために作業を効率化するには、その能力は欠かせません。しかしながら、法規制や学習データのクリアランスなど、その課題は未だ残り続けます。

生成AIと敵対しない、生成AIと手を組む、そのためにも、共存できる状況を作るべく、最大限努力しなければなりません。


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なんでできることを他の人にやらせるんですか

皆さん、おはようございます。

懐中時計

ちょっとフランクな感じのアプローチをしてみます。
今回のテーマは、自分ができることをあえて他の人に仕事させるということです。

『動画に使用するBGMを選曲する』

何度目かのお題ではありますが、今回もこれです。
動画に使用するBGMの調達をお願いされましたが、その際、自分でBGMを調達するか、外部に制作を依頼するかの選択肢があると思います。
そして、自分でBGMの調達を検討するでしょう。
理由は簡単です。
自分でBGMを調達した方が、外部にBGMの制作を依頼するよりも、コストを抑えることができます。もちろん、制作依頼に支払う金額です。

では、今回のタイトルに回帰したいと思います。
なんで自分でできることを他の人にやらせる…つまり、BGMの制作を外部に依頼するか、ということですね。

その理由は簡単です。
自分でできることを他の人にやらせることで、自分にしかできないことができるからです。

確かに動画に使用するBGMを自分で調達することは自身でもできるでしょう。楽曲制作を外部に依頼しなくても、目的は達成できるかもしれません。
しかし、楽曲を探し、楽曲の使用条件を熟読し、楽曲を吟味し、その楽曲を選定する…これらの作業には、多くの時間と労力がかかる上、動画用BGMの選曲について責任者の立場の人に承認を得る必要があります。
そしてこの結果、どうなるでしょうか…?

動画に使用するBGMを調達する作業に費やした時間と労力と同じだけ、担当した本人しかできない仕事に注力できる時間的体力的なリソースを失うということです。
人に任せられる作業を人に任せなかったことで、自分にしかできない作業に費やすリソースを失うこととなりました。

もし、動画に使用するBGMを、外部に制作を依頼していたら…責任者にその旨の承認を得て、外部へと受注し、用途に沿ったBGMを受領して完了とできたでしょう。
そしてその間の時間と労力を、その人にしかできない作業に充てることができたでしょう。
大局的に見て、外部に制作を依頼する場合と、自ら作業を行う場合と、果たしてどちらの方が、会社からしてお得だったでしょうか?

楽曲制作に限った話ではないですが、専門的な内容は最初から専門家に依頼した方が、結局のところ安上がりになるケースは多いものです。
専門的な仕事は専門的な人に、そういう風潮が広がることが、クリエイターの土壌を守ることと、自分たちの仕事を円滑に回すことにつながる、Win-Winの状況を築くことにつながるでしょう。


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